おもしろき こともなき世を おもしろく

  1. 粋華志義
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大久保卿

翔ぶが如く を読み終えた。

この人、

大久保利通を私は勘違いしていたかも知れません。


幕末期を通じて見ると、彼の印象は陰湿なイメージを否めない。
その“役目”や“性格”からしてどうしても。


例えば、
武市半平太より坂本龍馬、
久坂玄瑞より高杉晋作、
というように、
実務家である大久保は、どうしても表面に立つ派手な西郷の陰に隠れがちだ。


私も、裏面工作をするただの陰湿な  としか見てなかった。


だが、違う。
大久保は、すごい。
好きにはなれないけど。


彼が仕事をした明治10年間は、
単に 江戸時代からのシステムを覆して、
列強に対応すべく近代国家の基礎を作っただけではない。


それは江戸時代はもとより、室町期、あるいはその前の鎌倉期から
続いている何ものかを終わらしめることでもあった。


これが出来るのは、あの当時あるいは大久保くらいのもんで、
果たして大久保はこれを成し遂げた。
彼はそれだけに、「(10年間)なにもできなかった」と言っているが、
一番重要な大革命をやってのけてしまった。
すごい。
好きではないけど。


旧主君である島津久光からの圧迫、
莫逆の仲であった西郷吉之助との思想による分裂、
同じ国の仲間であった薩摩士族からの強烈な反感、
これらの真相も知らずに執拗に批判してくる木戸孝允、
これらを振り払い、
敢えて彼は日本国民からの嫌われ役をその全身で引き受け、
冷徹に徹し、革命にとりかかった。


注目すべき点は、
この革命を大久保自身が乗り気ではなかったことだ。
その証拠に何度か身を引いている。
しかし、やると決めたら最後まで責任を持つのが大久保で、
いつも途中で投げ出してしまうのが西郷、という。


その苦悩の10年間を通じて、大革命だっただけに
彼はさまざまな反感をその全身で受けたが、
これだけは誤解されたくない、と思っただろうことは、
西郷との友情であった。


世界情勢を含めて今後長い日本を想ってやった仕事、
というより、彼が後世に残したかったのは、
吉之助どんとの友情、ここら辺がかっこいい。


すごい、一蔵どん。
好きにはなれないけど。
を通し、あり、信念あり、何と言っても度胸あり、仕事ができ、
世界でも稀な大革命者


紀尾井坂でも、拝みにゆきますかな。

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