おもしろき こともなき世を おもしろく

  1. 粋華志義
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百足物語

武士に二言はない。

べつにボクが武士だから、とか、そうゆうのじゃなく、単純に、好きです、この言葉。すると当然、“有言実行”、この言葉も同じくなってくる。言ったら、やる。口ではいくらでも言えますものね。だから、行動によって示す。そもそも、行動しないと、何も始まらない。それから逆に、自分の言葉にそれだけの責任を持つ、そんな思想でもあるわけです。

身近で例えると、約束は、守りたいですね。当たり前のことではあるんですが。解りやすく言えば、出来る範囲でドタキャンはしない様に心がけています。約束した日程があるとします。突然、その約束より自分にとって魅力ある案件が出来たとします。こういった場合でも、その魅力ある案件を自分の中で押し殺し、はじめの約束の方を貫き通したいな、と、こう思うのです。

誰々が来ないのなら、とか、前日徹夜したから、とか、風邪引いてるから、とか、大雪だから、とかは考慮する範囲に入れず、約束をしたか、してないか、を第一に考えるやり方。もっとも、微妙な場合は「行けたら行く」という表現も使う。微妙な表現ではありますが、当日になんなきゃ解らない場合も多々あるから、しょうがにゃい。

後は、仕事面でしょうか。日本では特に、目立つ場面ではあります。言ったことが出来ない、あるいはやらない人は次第に信頼が薄れ、この競争社会で生きられなくなってしまう。お客の立場からすれば、そこがダメなら他にも競合他社がいて、要するにお客がサービスを選べる立場にいる。

こういったことを考えると、やはり有言実行は、心得ておきたいキーワードであります。言で発したことを、行によって表す。ものごとの筋を通すには、言葉ではない、行いによるもの。

つきつめれば、敢えて言葉にしない方法もあるんですが。「世の人は 我を何とも 云わば云え 我が為す事 我のみぞ知る」、この精神です。つまり、事を起こすには時勢、要はタイミングがあり、その流れをつかむには発する言葉をも使いわけする。例えば、言葉を発する相手、タイミングによっては、敵をつくることもあり、仲間を作ることもあり得るということですな。

逆に、言葉を敢えて発し、自分に言い聞かせる方法もあります。例えば、情熱を出す方法として、以下の様なものがあると聞きます。声を大きく出す→少し早口で話す→その中でもただの早口にならない様に句読点の位置などで、きっちりメリハリをつける→その言葉に微笑みを乗せる。なんてのを本で読んだことがあります。これは重ねて言いますが、言葉の発し方により、自分の情熱を引き出す方法。

後は、言葉に出してから、考える方法。言ったからには、やるしかない、という気分。言うことにより、自分に言い聞かせてるとも言えますね。

高校は置いといて、私、専門学校は2回の授業を休んだ以外、全部出席しました。全然誇れるような実績じゃないんですが、それでも2年間、通いました。高校は置いといて、専門は。これは一重に自分が「行きたい」と言って、親にお金を出してもらっていた、ということに限ります。片道1時間半かけて。 専門学校というのは、年頃的にも遊び心が咲き乱れている時期でありまして、しかも私の場合、花の都大東京ということもあり、毎日が刺激あったわけです。しかし私は行きましたよ、授業だけは。高校は置いといて。

新しい仲間にカラオケ誘われても、前日から朝6時まで呑んだ時も、同じく前日から朝7時まで徹マンやった時も、付き合い悪ぃなと思われようが、何だろーが、授業だけは行きました。高校は置いといて。やはり自分が行きたいと決めて、行かせてもらってるところでしたからね、そういう概念は、基本的に頭にありました。

でも、2回は授業休んだ時がありました。まぁ、これも大したことではないんですが、一つ目はただ単に教科書を忘れて、教室に入れてもらえなかったこと。二つ目は、親友が恋にホントに悩んでいたので、その為に飛んで行ったこと。どちらも、後ろめたい理由ではない、です。

さて、専門以降はどうでしょう。高校は置いといて。つまり社会に出てから、です。もう社会に出て10年ですが、出勤をせずに休んだことは、、、残念ながら一回あります。10年で一回。これがどんなもんか知りませんが、悔しくも一回、休んでしまった。

39度の熱で吐く様な体調だろーが、400%全開二日酔いだろーが、フロントで接客中に寝てしまう程睡眠不足だろーが、バイク便の時高速で居眠り運転して降りるべきインターを過ぎてしまうくらい完全寝不足だろーが、スノボで怪我をして顔半分治療してよーが、武士に二言はあらず、宜敷出勤すべしとのことで出ていました。

しかし、そんな私も、一回、休んでしまった。高校時代は置いといて。

それは社会に出て1年目の、ちょうどこの時期のことでした。そう、社会に出た私は、所謂軽い五月病を通り抜けたくらいの(たしか)6月(くらい)。勤め先は某プリンスホテルでしてね。学生時代から抜け出て、社会の厳しさを知り始める、そんな時期でした。職場の皆さんともやっと馴染んでき始めたか、ってくらいで、でもお互い、どんな人間かはまだわからない。

そんなある日の朝、今日も元気に出勤だ、そんな気分を思わせる良い天気でした。玄関に出て靴をはいたところ、なんか違和感があったので、一旦脱ぐじゃないですか。皆さんだったら、どうされますか、こんな時。

作戦A: 一旦脱いで、カカトの部分をトントントンと叩いて、中のものを取り出 そうとする
作戦B: 一旦脱いで、おもむろに手を突っ込んで、感触で確かめる
作戦C: 一旦脱いで、中をのぞいて、目で確認する
作戦D: 違和感がある程度だったので、気にせずそのまま履く 答えは、作戦Bです。答え、というか、私は作戦Bで対応しました。

すると、イタぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁああああああっっっっ!!!!

で、出てきたのがコイツ。

刺されました。ムカデに。余談ですが今PCで打ってて、ムカデって漢字で書くと、百足なんだって初めて知りました。そんくらい興味ない百足に人指し指よろしく刺されました。

すぐさまその悲鳴を聞いた祖父が登場。孫が百足に刺されたことを知った祖父は、即刻、百足と対戦、というか、祖父の一方的な猛攻撃で百本の足を持つ(?)モンスターを撃沈。「このやろ!こうしてくれる!」みたいなことを言いながら、撃沈。ってか、怒りを顕にしてた。大東亜戦争にも行ったこの祖父を、ちょっと頼もしげに思った。

でもまぁ、武士としては百足に刺されるくらい、何ともありません。しかも、逃げて背中に負った傷なら、時代が時代なら軽くて蟄居、重くて斬首ですが、この傷は正真正銘、正面から奮戦して負った人差し指の傷、云わば男の勲章とも呼べるものです。やったよ。ボク、やってやったよ。そんな達成感の余韻には浸ってはないです。

ともかく、時間もないんで、家から駅まで原付を走らせたのでした。

刺されたのは右手の人差し指です。チクっとした痛みは残っていたのですが、それが運転中にどんどん広がって来てですね、なんと、掌全体に痺れてくるんですよ。びっくりした。いや、びつくりした。それだけじゃない、その痺れは次第に腕まで広がって来て、運転どころの話じゃない。

止まってはみたものの、「止まってらんない」と私の脳が判断し、やむなく左手で原付のアクセルまわして運転。もう、明らかにコレ、“毒”ですからね。そして今、その毒がリアルに自分の体を侵しつつあるわけです。ホントに命の危険を感じた。救急車呼んでる場合じゃない、家に助けを呼んでる場合じゃない、自分で病院まで運ぶしかない、と判断を下したのです。

んで、原付で10分くらいのところにある大学病院まで、やはり左手で運転して、それこそ物凄い剣幕で何とかたどり着いたわけです。もうこの時には大変な状況になってましてですね、まるで正月と盆がいっぺんに来て、パンダPと選挙で勝ったオバマ氏が同時に偶然訪ねてきたくらい大変、もう痺れが肩まで来て(マジに)、ホントに、ホントに、冗談抜きで、右腕は切断せざるを得ない、と思った。

いや、今思っても、この時が今までの人生で一番痛かった。5mくらいの高さから落ちてその間にある鉄筋にぶつけて頭から血だらけになり頭と顔を縫った時よりも、あるいは鼻の骨折って2cm横にずれた鼻を2本の棒突っ込んで一気に元の位置に戻した時よりも、この百足の方が痛かった。

そんな痛さで、病院にやっとついたはいいが、大学病院なんでね、やっぱり混んでるわけですよ。もう正月と盆がいっぺんに来てるくらい大変な状況を説明してですね、なんとか先生に拝謁。なんとまぁ、最近の医学はすごいもんでして、薬を塗ったか、注射したか忘れましたが、とにかく、痺れもなくなり、チクっとしてるくらいの状態におさまりました。

しかし先生曰く、「今日一日は安静に」という通達を下し、ボクも二度とあんな目に逢いたくない、武士に二言はなんたらかんたら、とか、そんな言葉はどこかにぶっ飛んでまして、その日は休んだのでした。そこで、とにかくも休む旨を会社に連絡しなければならない。電話しました。

「百足に刺されたんで、休みます」

勿論、これだけじゃなく、病院に言って先生が一日安静の判断を下したとか、正月と盆がいっぺんに来た日にパンダPと選挙で勝ったオバマ氏が同時に訪ねてきた状況は全部説明しましたよ。しかし、入社してまだ2ヶ月。で、この休み。いや自分も言うのつらかったです。

言われた方としちゃ、信用ならないでスよね。百足に刺されたから休むって。その言われた方ってのが、N先輩。実はこのN先輩、数日前にお子さんが生まれたそうです。Nさん、元気にしてますか。

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