2.工業用としての金
さて一言で金、
といってもその用途は無論宝飾だけではありません。
金は柔らかく、重く、光沢のある金色をしており、
展延性が非常に高い金属であります。
その展性を活かしたものに金箔があり、
延性を利用したものに金糸などがあります。
1グラムもあれば数平方メートルまでのばすことができ、
長さは同じ1グラムでなんと3000メートルまで伸ばすことができます。
また、
電気抵抗が小さく延性も高いために
コンピュータなどの回路や
その他電子部品の一部としても使用されます。
さらには熱、湿気、酸素、その他ほとんどの
科学的腐食に対して非常に強い耐食性を持つことから
金メッキの用途も非常に多い。
例えば人工衛星の表面や、
高い導電性も兼ねて電子部品の電導体、
コネクタの部品にもこの金メッキが活用されています。
あるいは、
一般的である銀よりも響きが良いということから
管楽器などの材質にも用いられます。
さらには紫外線を防ぐことから宇宙飛行士の船外服
(ヘルメットやバイザー等)にも蒸着されています。
言うまでもなく人々を魅了するその黄金色は外観をよくし、
陶器の世界では“金継ぎ”という技術もあります。
これらの優れた性質を利用して
金歯、演算機器、触媒、癌の抑制治療、コーティング材、
オリンピックの優勝メダル、ノーベル賞の賞品メダルなどなど、
その用途は非常に幅が広いものであります。