続いてこの都市鉱山を追求していくと、必ず行き着く方がいます。それは都市鉱山のスペシャリスト、原田幸明氏です。氏は、独立行政法人物質・材料研究機構の材料ラボ・ラボ長であり、都市鉱山に精通されている日本の第一人者です。
氏はこのように言われています。
世の中で話題になっている「都市鉱山」の意味と意義ですが、マスコミや報道で取り上げられている部分と私たちが考えている本質には大きな違いがあります。日本には豊かな「都市鉱山」が潜んでいて、それは私たちが持っている携帯電話の中にある。だから積極的に携帯電話をリサイクルしましょうという話は、それだけで留まってしまうと少々困った見え方です。携帯電話のリサイクルはあくまでも、一部の典型例が取り上げられているだけであり、それが資源リサイクルの問題の本質ではありません。
なるほど、
さすがは研究者レベルのお言葉で話が本質的であるようです。
氏のお話の続きを興味深く読んでいると、
「バカな!!!」
と筆者は思わず叫んでしまいました、再びです。
捨てておけない一文があったのです。
それは、
「現在、製品日本のリサイクル資源は各種スクラップとして海外に輸出されているが、そこに含まれるレアメタル類に対して定量的な見積が行われていないままだという」
「国内の都市鉱山資源が、「廃棄物処理」の名のもとに、本来の価値よりも安価に放出されている状況も見られる」
というものでした。
反射的に、
ひとつのある歴史的事件が筆者の脳裏をよぎったのです。
それは、「幕末通貨問題」です。