おもしろき こともなき世を おもしろく

  1. 粋華志義
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【人間力第52回】感情的ロールプレイング

 さて、前回の続き、早速のロールプレイングです。
とある土曜日、この4人はB宅に集まった。明日の日曜日にBは新居に引越しを予定していて、その前日の今日、前祝いも兼ねての事前整理手伝い、というものであった。

4人は働きに働き、荷物は大分整理され、ダンボールに振り分けられ、後は大方明日に運ぶところからでも始められる状況まで片付けた。

夜も更け、今日の「お疲れ様会」と「明日もよろしくね会」と冒頭にも述べた前祝いを兼ねての宴が始まった。お酒を交わし、宴もたけなわになってきた頃である。

そこに、「いらないもの」として別置きされたひとつの山がある。Bは、この際不要なものはすべて処分するつもりでいて、手伝いの御礼として他の3人に欲しい人がいればあげるつもりでいた。それで、はじめからひとつにまとめていたのである。

Bがこう言った。

B:「コレ全部処分するけど、欲しいものあったら持っていって」

こうして他3人は、それぞれ何点かを手に取った。――ここまでは良かった。場は皆手に取った後で落ち着いたように見えたが、楽観的なCがこう切り出した。

C:「ボク、Aさんの持っているスーツ、欲しいです」

Aもそのスーツは譲りたくないものであったらしく、

A:「いや、悪いがこれはボクが先に取ったものだから」

Cは引かない。

C:「そこを何とか。譲って下さいよ~」

A:「いや、だめだ」

C:「Aさん、お願いしますよぉ~」

ここでAがカチンときた。単純に目の前のCが気に食わないが、このくだらない押問答の中に自分がいるのも腹が立つ。同時にこの瞬間、敏感にBがこのAの怒りを素早く捕えた。

が、

B:「まぁまぁ」

としか、Bは言わない。

楽観的なCは、けろんとしている。何事にも興味が薄いDは、この押問答に入って来ようともしない。改めて言うと、この楽観者CはBの後輩であり、このCにとってAは先輩の友人にあたる。

ここで場の空気を読めない楽観者Cは再度口を開いた。よっぽど欲しかったのだろう。。。

C:「やっぱりAさん、そのスーツください。一生のお願いです!」

そこでAの手が出た。Cは殴られた後、何が起こったのか呆然としている。そしてAはそのスーツをCに投げつけ、

B:「Bさん。こりゃアンタの教育がなっていない。アンタなら何か言ってくれるものだと思っていた」

そう言って、とっととB宅を出て行ってしまった。Bは、玄関までAを追ったが、それ以上は追わない。Dは終始黙っていたが、それからAを何故か倦厭するようになった・・・。

——————————
※さて今回はですね、4人かの例人(たとえびと)を出して考えていく長編となります。次回に続きます。

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