カットの判断
さて、「購入者目線」であるはずのこの連載であるのに、これまでダイヤモンドのカットに関しまして一通り書いてきました。他にもインターネットで検索すればいろんなことが解るかも知れません。
ただ、カットをいくら詳細に解説されても言葉では解らないのがカットなのです。
それでも一通りカットのお話をしたのは、次に私が言う「カットの判断」を理解していただくためです。
重さ(キャラット)は見た目で大きさが違いますから解りやすいですし、価格設定のされ方から格段に価格が下がる隠れポイントもお話しました。
色(カラー)や透明度(クラリティ)も境界線はないにしろ判断のポイントがある程度でもお解りいただけたかと思います。
それではカットの判断する際のポイントなのですが、まずは「自分の主観」であり、それから「4Cのグレードを参考」にすること、と言えそうです。
カットはキャラットと同じように機械によって判別されます。
ダイアメンションという自動計測装置のプレートの上にダイヤモンドを逆さに乗せ、フタを閉じてボタンを押します。
すると中でプレートが周り、この計測装置がダイヤモンドの角度や割合といったプロポーションを数字で算出するのです。
その数字によってグレーディングされるわけですから、見た目では本来主観的である輝きのグレーディングはできません。
カットはダイヤモンドの第一の魅力といっていい“輝き”を導くものなのです。
その輝き方は、自分が好きなものを選べばいいと考えるのです。
なお、もうお気づきの方もおられるかも知れませんが、このカットのグレーディングは、ラウンドブリリアントカットだけにある評価です。
その他ファンシーカットと総称されるハート、マーキース、ペアシェイプなどといったシェイプはカットグレードがなく、これは“輝き”に関しては完全に自分の目に委ねられたことになります。
ファンシーカットで注意したい点、輝き以外では、まずそのシェイプでしょう。
ラウンドのように正円という決まった形がないために、ひとつひとつ形状が変わって参ります。
このため、各シェイプの“理想のプロポーション”というのが存在しないのです。
例えばハートでもぷっくりしたもの、シャープなもの、横に長いものなどがあるわけですが、自分がどのバランスを求めているのか。バランスは横からみた上下のバランスもチェックします。
後はラウンドのカットグレードのように対称性(シンメトリー)や表面の研磨状態もチェックします。
このようにファンシーカットでもシェイプバランスのポイント以外は選ぶ際に考慮したい点も同じことと言えそうです。