粋華志義

生類憐令

 江戸幕府第五代将軍、

徳川綱吉。

生類憐みの令は徳川綱吉が出した極端な動物愛護令で、「犬はつなぐな、鳥や動物はもちろん、蚊、のみまで殺すな」 という滅茶苦茶な法令だった。 この法令で処罰された人の、ウソのような話がある、 嘘の様で本当の話がある。

1686年に小姓の伊東淡路守基久は、 仕事中にほおに蚊がとまったので思わず手でたたいて殺してしまった。 そばにいた人に、「顔に血がついているよ」と言われて紙で血をふいて、 手を洗って仕事を続けた。 このことが上の人の耳にとどいて、 法令に従わなかったので中部地方へ流罪となった。 そばで見ていた人も、このことを上に届けなかったとして罰を受けた。

このように動物を殺して流されたり、死刑になった人はたくさんいた。 綱吉は、人間も動物なんだとは思っていなかったのだろうか。