粋華志義

人間力はいらない、という話について

先日、とあるお客さんが言われていたのが、おもしろいセミナーに行かれているというのだ。なんでも、今まで人が言っていることと全く逆のことを講師の方は言うそうです。

「一言で言うと人間力がいらないやり方」

・・・・。人間力を提唱している私には、なんとも興味深いお話でした。でもですね、聞いてるうちにすぐに紐解けました。

要は、仕組み作りのことを言っているんだと思います。時間と体を使って売る今までのやり方ではなく、知恵と頭を使って売れる仕組みを作る、というやり方。

例えば、インターネットで日本語を勉強したい人と外国人と触れ合いたい日本人のマッチングサイトを作ったとします。それが、非常にコンテンツがよく、人が集まるサイトとなるのなら、それは1つの仕組みでしょう。あとはどうマネタイズするかはいくらでも方法はあるはずです。

で、たしかに、これを構築することに人間力は必ずしも入りません。そして、ほんとにその仕組みができたのなら、後は勝手にそのシステムが回っていきます。寝てる時も、お休みの時も、遊びに行ってる時も。

さらに、これらが個人でもできる時代。明らかに今までのやり方とは違っているのは明白。

だので、ある意味この「人間力がいらなくなる」のは大自然の法則のように必然的なことと考えられます。で、それは「人間力」の連載でもはじめに断っていること。それはつまり、

世の中が便利になればなるほど、人間力は自然となくなっていく───。

という真実です。東京だとかの都会にいるより地方の田舎にいる人の方が、人としての暖かみを感じることと同じです。

だから、実は簡単な話。人間力はこれからどんどんなくなっていきますが、そうなったらなったで、今度は人間力があることが重宝されてきます。

また、売れる仕込みを作ったところで、その後のことも考える必要があります。例えば自分が死んだ後はどうなるのか、どう引き継がれていくのか。これは自論ですが、ここまでのことをひっくるめて考えた時、人間力が問われないことはないと思います。

人は1人では生きていけない、ということを考えれば当たり前のことなんですけど。