粋華志義

【第19回】ジュエリーを本気で考える ~紛らわしい宝石名のリスト~

ジュエリーというのは一見、怪しい世界に思われがちです。それは、一部の悪徳業者がいることからと考えられます。素材が天然の産物であるがために相場が解りづらいこと、また第二部でもお話しましたようにこの高級素材を扱うのに売り手が必要不可欠な資格等を条件にしないことから、お客様を欺けやすい商材となっているのです。

私の周りでも、最近180万円ものジュエリーを購入した方がいて、後から偽物だったことが発覚したというケースもあります。しかも、対面取引でした。

今日、日本のジュエリー産業は低迷の一途を辿っていますが、その中で非対面取引であるネットショップの市場は年々増加しています。

対面取引でも上記のようなケースがあることを考えると、ネットショップでの購入、その他通信販売など非対面で購入される場合は、特にその表示に注意しなければなりません。

売り手が“騙す”つもりではなくとも、その商品を“よく見せる”ために宣伝文句として使う紛らわしいフレーズが時としてあるのです。

ここでは「フォルスネーム」、つまり偽の名前をつけられて市場に出回っている紛らわしい宝石名をご紹介します。

【 フォルスネーム → 正しい宝石名称 】

>アフリカ・ダイヤモンド → 無色トパーズ
>アラスカ・ダイヤモンド → 無色水晶
>アーカンサス・ダイヤモンド → 無色水晶
>ハーキマー・ダイヤモンド → 無色水晶(USA,NY州,ハーキマー産)
>セイロン・ダイヤモンド → 無色ジルコン
>マタラ・ダイヤモンド → 無色ジルコン
>フランス・ダイヤモンド → 無色ガラス
>黒ダイヤ → ヘマタイト
>スピネル・ルビー → レッド・スピネル
>バラス・ルビー → レッド・スピネル
>ブラジル・ルビー → レッド・トパーズ
>ガーネット・ルビー → ガーネット
>ケープ・ルビー → ガーネット(南アフリカ産)
>オーストラリア・ルビー → ガーネット(オーストラリア産)
>アメリカン・ルビー → パイロープ・ガーネット
>アリゾナ・ルビー → パイロープ・ガーネット
>コロラド・ルビー → パイロープ・ガーネット
>シベリア・ルビー → トルマリン(ロシア産)
>ボヘミア・ルビー → 紅石英
>ロック・ルビー → 紅水晶
>シトリントパーズ → シトリン
>ウラル・サファイア → ブルー・トルマリン
>ブラジル・サファイア → ブルー・トパーズ
>ウォーター・サファイア → アイオライト
>リンクス・サファイア → アイオライト
>アフリカ翡翠 → グロッシュラー・ガーネット
>オーストラリア翡翠 → クリソプレーズ
>インド翡翠 → アヴェンチュリン・クォーツ
>台湾翡翠 → ネフライト(軟玉)
>コロラド・翡翠 → アマゾナイト
>ブラジル・エメラルド → グリーン・トルマリン
>イブニング・エメラルド → ペリドット
>ウラル・エメラルド → ガーネット
>コンゴ・エメラルド → ダイオプテース(コンゴ産)
>インディアン・トパーズ → イエロー・サファイア
>オリエンタル・トパーズ → イエロー・サファイア
>オリエンタル・エメラルド → グリーン・サファイア
>オリエンタル・オパール → ムーンストーン
>ブラック・アンバー → ジェット
>ヴィエンナ・ターコイズ → 模造ターコイズ
>バリス・パール → 模造パール

フランスダイヤモンドなんて、ただのガラスです。天然石でもなんでもありません。

 

 

また最近のネットショップでは、こういったものを見かけます。

>ダイヤモンドCZ → CZ(キュービックジルコニア)
>CZダイヤ → CZ(キュービックジルコニア)
>モアサナイト・ダイヤモンド → モアサナイト(合成石)