粋華志義

【第12回】ジュエリーを本気で考える ~ブランドコストの実態~

とにかく
こうした具合で単純にジュエリーが「掛け率何%で」、
というお話ではないのですが、
ここはあくまで「シミュレーション」であるため、
このまま数字を追っていきたい。一方、
通常の流通で考えると掛け率は50%前後、
つまり下代の2倍前後の上代だというのと比べると
その掛け率が高いことが解ります。
これがジュエリー流通の
ひとつの特色であると考えられます。

では、
何故こうまで上代設定が変わってくるのでしょう。

この違いこそが、
それぞれのお店が持つ“ブランドコスト”というものです。

例えば原価の3倍で上代設定をしたとします。

すると店頭に並ぶ価格はこちらのリング、
9万円になります。
これが、いわゆる「商品価格」になります。

上代から下代を引いた6万円がこの商品の利益となりますが、
この中から家賃、人件費、広告宣伝費、その他諸経費が引かれていきます(→営業利益)。

ブランド価値、
というものはこの商品価格にさらにブランドコストを
かけたものであるのです。

これを今回の数字で表すと25万円、
つまり下代3万円に8.33倍をかけたもの。

そのブランドコストとは、
前述したブランドイメージを維持するために
かかるコスト(25万-9万=16万円)です。

この16万円の違いが、
ウィキペディアにも記載があった
「商品価格」と「ブランド価値」の違いでもあるわけです。