粋華志義

【第11回】ジュエリーを本気で考える ~ジュエリーの流通~

当たり前のようなことを言っているのは解っています。ただ、
皆が皆これを理解した上でブランドモノを購入しているとは思えません。
例えば、
先に話に上がりましたように
25万円のブランドジュエリーリングがあったとします。
実例があったように、ここでも原価は1万5千円とします。

この原価は地金代や職人さんの加工賃などが含まれる、
所謂“実費”です。

そしてこれは生産工場での原価であるため、
生産工場がこれを量産して3万円で卸したとしましょう。
この差額は、生産工場の利益となります。

ここにさらに中間卸業者が入る場合もありますが、
今回はあくまでシミュレーションの為
シンプルに考えて参ります。
(中間卸業者が入る場合は勿論、その都度価格は上がっていきます)

卸価格で仕入れた小売店は、ここで上代設定をします。

つまりこの小売店にとっての下代は3万円で、
これにお店の運営費を計算していくらで販売するかを決定するのです。

こればかりはお店によってさまざまですので
何とも言えませんが、2倍から5倍くらいとまちまちです。

ただし、
まちまちであるのと同時に価格帯によっても
掛け率の設定が変わるのが通例で、
さらには「商品そのものの価値」を見極めなければなりません。

この“価値”に関しては、
絵画というものがその芸術性でピンキリの価格がつくのと
原理は似ているのかもしれません。