粋華志義

【第8回】ジュエリーを本気で考える ~ブランドジュエリーのコスト~

以上のようにブランド、特にその商品が
もっとも高額なジュエリーブランドともなれば、
そのブランドイメージが非常に大事なものであることが解ります。

解ってはいるものの、
そのイメージを保つためには相当な費用がかかります。
まずはその店舗です。
言うまでもなく最高の立地条件に立ち、
内外観も著名なデザイナーにより設計されています。

高級感溢れるインテリアが使用され、
店員は採用されるポイントに「高級感ある容姿」であることも求められます。

もちろん、
その製品を手がける職人さんの技術は果たして高く、
誰もができるものではないだけにその人件費も自然高くなります。

生産面で言えば徹底されつくした品質管理や商品管理など
例をあげればキリがありません。

これらの上に、特筆すべきはその広告宣伝費でしょう。
ブランドイメージを最高のレベルで維持するために、
ここにその経費を大きくかけていることが挙げられるのです。

このように、
少し考えればブランドの裏側である
そのコストが容易に見えてくるのであります。

それを具体的に見たのが前述した「16倍」という数字だったのです。
今回筆者が見たカルティエのリングの場合、
この残りの「15倍」の部分にあたるそのほとんどが、
これらコストに充てられるのです。

これが高額なジュエリーの、
その中でもブランド戦略という特殊な世界なのです。