筆者がバンコクの生産工場に勤めていた時のこと、
いつものようにジュエリー雑誌を見ては勉強していました。
そこにはカルティエの、とあるリングが載っていました。
自分の「ジュエリーの目」を養うためには
高級ジュエリーをまず見るのが一番だと思っていた筆者は、
定期的にブランドジュエリーを意識して見るようにしていました。
「これが高級で良質のジュエリーだ」
と目に焼きつけ、脳にインプットしていたのでした。
この時には、
「カルティエ」というその5文字を見るだけで「きれいだな」と
無意識のうちに思うまでになってしまいました。
価格は、25万円。
そのブランドプライスも、
感覚として覚えていくように心がけていました。
ところでこの25万円、原価はいくらくらいなのだろう?
ふとそう思ったのは、
生産工場に勤務していた筆者にとっては、
当然の疑問だったに違いない。
すると、
どう計算してもその原価はせいぜい1万5千円程度なのです。
なんと、16倍以上もの価格がついている。
当時、
「卸価格」で仕事をしていた筆者にはこの
「16倍」という掛率が強烈なインパクトなのでした。