粋華志義

【第4回】ジュエリーを本気で考える ~宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商~

ブランドジュエリーの正体

さてもうお解りのように、
筆者がこのジュエリー業界に入ったきっかけも
カルティエを通して
ジュエリーをより一層好きになったからでした。
カルティエは、
言うまでもなくジュエリーブランドであります。

初給料で購入したバッグや手帳もそうですが、
元は1847年にルイ・フランソワ・カルティエが
宝石商で師匠のアドルフ・ピカールの後を継ぎ、
工房を譲り受けるところから始まります。

こうして考えると、
ブルガリも宝飾店、ティファニーは雑貨屋、
ヴィトンはトランク工場、グッチは皮革職人、
エルメスは馬具工房とその出発店はさまざまであります。

さまざまではありますが、
その扱う商品は似ているところがある。

カルティエが財布やバッグを扱うように、
元馬具工房もジュエリーを扱います。

この点、
ジュエリーが「もともと」好きだった筆者は、
やっぱり出発点から宝石商であったカルティエに
親近感を感じられずにはいられません。

筆者の話はいい加減置いておきまして
「宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商」と讃えられた
そんなカルティエの、
“ある部分”を知ったのはこの業界に入ってからでありました。