粋華志義

【第43回】金は売り時?買い時?

そんな人道的ではないことをしなくても、
金が眠っているところが他にある。そんなに人々を苦しめなくても、
金は私たちの身の回りにある。
そんなに自然を壊さなくても、
金の塊がすぐソコにあるのです。

そうです、タンス鉱山です。

筆者はなにも、
「裕福」だと言われる我々日本人の持つジュエリーを
すべてリサイクルした方がいいと言っているわけではありません。

タンス鉱山の定義を振り返ってみましょう。
それは、

「タンスの中に眠っている不要なジュエリー」

とありました。

不要、つまり使わないジュエリーの
リサイクルを提唱しているのです。

「いつかは使うかも知れません」
「売る必要性を感じられない」

だったらリサイクルしなくてもいいと思います。

ご本人がそう言うのだから、
“いつか”は使うのかも知れません。

ご本人がそういうのだから、
売る必要性は(ご本人にとっては)ないのです。

しかし、
タンスの中に眠っている“本当に”不要なジュエリーは、
私達の周りに意外と簡単にあるものです。

不要なジュエリーは不要であるがために、
その存在すら忘れられていることもよくあります。

使わないのなら、その金を筆者は“売り時”だと考えます。

筆者はそういった意味で今は“買い時”ではなく、
不要なジュエリーの“売り時”だと思うのです。

だから、私は「金は買い時か?売り時か?」と単純に聞かれれば、
「売り時です」と答えます。

何故なら今までにお話した環境問題、生産現場のお話、
そしてタンス鉱山の話に加えて
明らかにバブルで史上最高値を更新し続けている今日だからです。

貴金属買取業者がよく言う「高価買取!」というのもまんざらでもないのが、
ほんの10年前に買った金が3倍以上になっていることです。

バブルがバブルである以上、
はじける前がこのタンス鉱山の輝く時期なのです。