粋華志義

【第42回】金は売り時?買い時?

ここでは、谷口正次著書の「メタル・ウォーズ」より一部を引用いたしたい。

採掘しているところは先住民たちにとって聖なる山である。そこは先祖の霊が棲むところで、自分たちも死んだら、彼らの霊もその山に行くことになると考えられている。そのような信仰の場所を破壊され、祖先から引き継いだ土地を追われている。

暴動を起こして反抗したり独立運動をするような先住民は、インドネシアの正規軍が容赦なく制圧するわけである。すでに多くの人が殺害され、20万人とも数十万人ともいわれている。脅迫、監禁、強姦、拷問、殺害、行方不明はしばしばのようである。そして、企業は鉱山を警護してくれる軍に対して、直接費用を支払っている。

(中略)

河川に毎日少なくとも20万トンの有害物質を含んだ選鉱カス(テーリング)を投棄するため、熱帯雨林のなかに広範囲にわたってテーリングがオーバー・フローし、森林と生態系の破壊が進んでいる。

鉱山の採掘現場で発生する廃棄岩石は、そのまま谷に投棄するわけで、その量が一日30万トンである。合計すると毎日50万トンの廃棄物が捨てられ川に流れ出しているわけである。山裾では地滑りがしばしば発生し、労働者の死亡災害が起きる。

金の“現場”もまた、人道的ではない事が
起こっているようです。

そしてこれは、一部の例なのでしょう。

それは現場、
つまりアフリカ、東アジア、南アメリカの
金が出る一部の地域が、狙われているわけであります。