粋華志義

【第35回】金は売り時?買い時?

こうした“タンス鉱山”のお話を経済産業省に提案したところ、
「行政の介入する必要性はないとの判断になりました」
との返答だったのです。考えられる理由としては、
担当の方とお話している時から言われておりました。
「国としては一企業の利益を援けることはできない」
ということがひとつと、
もしこれを実行するにしてもその提案者はこの事業に必ずしも参加できない、
要するに業界に影響を持つ大手企業やジュエリー協会等の組織と連携して行うことになるようです。

それはつまり、
経済産業省の“トップ”と業界大手企業の“トップ”とで話し合い
国の予算からこの事業に充てる資金を集めていくということです。

一企業の利益がどう、というよりも、
このタンス鉱山のポテンシャルを考えると誰かがこれをやるでしょうし、
また減少していく金の生産量とそれに反比例するように増える需要を考えると、
自然とタンス鉱山が注目されていくはずなのです。

ならば時期尚早であったのか。

いや、筆者はそうは考えません。
業界の一人の人間としてフェアにこのタンス鉱山、
つまり不要なジュエリーをリサイクルする“意義”を
提唱していこうと思うのです。

何故ならば 今 このタイミングと、
タンス鉱山は我々のすぐ身の回りにあるからです。
タイミングに関しましては、後述していきます。