粋華志義

【第29回】金は売り時?買い時?

3.都市鉱山に眠る金

「都市鉱山」、「都市鉱山」と筆者はお話してきましたが、どれほどのものなのでしょう。金も含めて日本の都市鉱山を数字で見ていきたいと思います。 ここでも材料・物質研究機構の発表したデータを引用していきます。

特に金の数字に注目していただきたいのですが、日本の都市鉱山に眠る金は世界の埋蔵量(42,000トン)の16%にあたる、6,800トンもの量が存在することが解ります。

その他金属を見てもお解りの通り、正に日本は世界でも有数な都市鉱山大国なのです。この数字を見ると改めて痛感しますが携帯電話を57万台頑張って集めても22kg、このことが問題の本質でないことがよく解ります。

原田氏の言葉を借りると、「もっと効果が上がる方法は他にないか?」 こんなことを次の段階、第二段階で我々は考えていかなければならないと思うのです。

4.日本のタンス預金

また、日本銀行の調査報告(2008年8月)によるとおよそ30兆円がタンス預金として存在するといいます。なんと銀行券の発行残高全体(約75兆円)の約4割を占める巨額です。

これは“貯蓄型”日本人を裏付ける数字です。タンス預金は金融機関に預けられないために金利もつかず、長期間になると金融システムから見ても現金の死蔵化となります。この例からも解るように、皆が皆“貯蓄”をしてしまうとお金が回らなくなり、 経済も立ちゆかなくなるのです。