粋華志義

【第12回】金は売り時?買い時?

上から順に解説していきますと、
一番高かったのは「御徒町買取専門店」でした。

これはご存知の方が意外と少ないのですが、
東京の御徒町とは、
日本で唯一のジュエリー問屋街なのです。
日本の電気街と言えば秋葉原、
と言われるように御徒町は
ジュエリー店やその卸問屋が文字のごとくひしめいており、
自然競争率が激化していてその買取価格も高いということが解りました。

次に大手リサイクルショップがきて、
大手質屋、大手ジュエリー店が続きます。

これら大手企業はいずれも全国に知られる某企業で、
このあたりが一般の(特に高くもなく安くもない)価格設定なのかな、
と筆者は理解しています。

これより若干低い設定では80%という数字になり、
ここまでで一本の“区切り”として私は考えています。

というのも、
よくあるネットショップの「郵送買取」。

これは、
そのほとんどのショップが送料を負担しています。

持参してお店に持っていく交通費と時間を考えれば、
メリットとなる方もおられると思います。

もし査定価格に納得いかなければ、
その返送料も負担しているところがほとんどで、
そうしたリスクを考えると(大きくみれば)この80%までが、
その価格設定をしている(大手に続く)一般のラインかと考えられるのです。

さてここからが「安い」と感じるところなのですが、
東京でも大規模な地下街にたまたまあったジュエリー店、
査定価格は28,818円でした。

この数字は一体どこからきたのでしょう?

例えば御徒町の40,000円は、
買取価格を正味価格の95%で計算し、
端数を切り捨てていることが容易に察せられます。

大手企業店舗の36,000円は85%の切捨てでしょう。
ネットショップは80%の端数繰り上げ、
末尾の26,000円は60%の端数繰上げであろうことが予想されます。

しかし、
この地下デパートのジュエリー店ではどうしてか28,818円、
おそらくは筆者とは別の地金商の価格より算出したのか、
いずれにしてもその価格は他と比べて低いのが解ります。

この他にも何店か調査しましたが、
種類的にはこのような買取価格の開きが実際にあることが解りました。

今回の調査は筆者が個人的に(小規模な)調査をしたものであり、
統計というレベルではありません。

ただし、主要なところは抑えてあるので
ある程度の実態が伺えるのです。