粋華志義

【第2回】金は売り時?買い時?

金、プラチナの訪問買取業者「それにしても、すごい」

――昨年(2010年)の、
とある日に男は私に話しかけてきました。

男は筆者の知人ですが、
なんでも求人広告媒体に“貴金属の買取スタッフ”の
募集が乱雑しているというのです。

後日、
街を歩いて目についたフリーの求人広告雑誌を手にとってみると
「それにしても、すごい」
私は心の中で同じ言葉をつぶやいていました。

どこを見ても「買取」「買取」「買取」。
この金高騰のタイミングに貴金属買取事業の新企業が次々におこり、
スタッフを募集しているのです。

「未経験でも月収25万円~!」
「“売る”のではなく“買う”のだから、お客さんにも喜ばれます!」
――給料面を見ても、歩合などもプラスされていて条件は悪くない。

いや、
実はこの現象はもっと以前(2006、2007年頃)から急増していました。
「金・プラチナ買取ります!」といった旗を目印に
買取専門店が街のいたるところに目につく、それであります。

ただその時、
求人広告雑誌で私が目に付いたのは「訪問」という文字。

この時、
“待つ”だけの店舗スタッフから
“訪問”する飛び込み営業スタイルへの変化に遅かれながら気づいたのです。

その時私は知人の言葉を思い出しました。
「今、新企業は営業をどんどん使って手当たり次第に飛び込み買取をしている。
それは、すでに始まっている」