粋華志義

開運道三

 運は、つくるべきものだ。

と、むかし道三はいった。光秀はそれを肝に銘じて今日までの指針としてきた。道三は事実、作った。奈良屋のお万阿も、クーデターによって国主の位置に押しあげた土岐頼芸も、道三の手作りの作品であった。それらの作品群が、道三を開運させてゆき、そのはてに道三は美濃の国主になった。