粋華志義

奇妙なり八郎

幕末の志士、清河八郎


この男が、幕末の舞台を創りあげたと言っても過言ではありません。

彼はペルリの言いなりになっている幕府に対して、
京都で挙兵して天皇を擁し、攘夷断行と倒幕を決心。

その為に九州に渡り、説きに説きまくります。
今、天下はどうなっているか、を。
これで、一気に脱藩浪人が京都に集まってきます。

しかし、
当の清河八郎は性格上、その仲間から追放されるように江戸に帰ります。
一方、上洛した浪人達は京都で暴れまくり、
「それを取り締まるため」という目的で清河八郎、
今度は江戸にて浪人を募集します。
幕府の名目で。

ところが彼の策士ぶりは、京都に到着したその日、
江戸浪人を集め、本来の目的を告白します。

「なるほど、幕府の召募によってわれわれは京にのぼってきた。
 が、浪士はあくまで浪士であって幕府の禄位は受けておらぬ。
 当然幕府の施策に対して自由である。
 われわれは幕府を奉せず、尊王の大義のみ奉ずる。」


結局は当初の天皇の下に挙兵する為に集めた人材だったのです。
その後、すぐに清河八郎は殺されるわけですが、
彼が西国から尊皇攘夷の過激な志士達を京都に連れてきて、
江戸からは、後に新撰組となる人物達を京都に連れてきて、

それだけでも見事に幕末の舞台を創り上げた志士です。

奇妙なり八郎。