粋華志義

【人間力第111回】世界の志士

よく言われるように、地球史上これだけ一個人が可能性に満ちた、やりたい放題の時代はない。今の時代は何度も言うが情報時代、インターネットの出現でとんでもなく面白くなってきている。

中国では政府が全てを握っていると言われる。日本企業が中国に進出して大半が帰って来てしまうのは一中国人と付き合っているからで、中国で成功を収めている企業は政治家を知っていないとダメだと言われる。テレビで流れるニュースや学校で教える内容なども政府がコントロールしているという。

ところが、果たして、インターネットの出現によって真実を知りたい若者が出てきた。政府ではある一定の情報は一般の人が見られないようにブロックしているが、それでもその網をすり抜けて知ろうとするが見つかってしまい、どんどん真実を追い求めた若者の一部が捕まっている。今、たしかに中国の若者は目覚め始めている。

紛争の絶えないイスラエルでさえ、最近の若者に変わった意見も出始めているようだ。英語を実は話せるが絶対話さないと言われていたフランス人も、最近では英語をビジネス上では必要不可欠な“ステータス”として捉え、かなりの若者が喋るようになっている。

ところでアメリカ合衆国は政治・経済上世界最大の大国であるが、アメリカ人という人種は、となると複雑になってくる。移民国家だからだ。日本の東京のようなものだろうか、世界中から夢を求めてアメリカに行くわけである。アメリカでは誰にも均等な機会が保証され、その才能と努力次第では成功出来る、つまりはアメリカンドリーム。人が集まるシステム、移民政策を取り、天才はそれ相応の成果が見込める。天才が来れば国としても富む。それがアメリカ。

これからは少し変わってくるだろう。人々はアメリカに行かなくても、自分の国で“ソレ”が出来る様になる。インターネットと世界のグローバル化が個人の能力をバックアップしてくれるからだ。ユーロという経済圏ができ、アセアンのビザ撤廃ということからも今後は“国境”がどんどんなくてってくる。

これからは日本やアメリカ、イギリスといった先進国以外の国から志士が名を挙げて来るだろう。それも企業ではなく、一個人として。これからは会社や、国さえも含む組織に頼るのではなく、個人が自分で歩みだしてゆく時代になるとも考えられる。これがもし本当なら、今までお話ししている人間力が何より重要なポイントにもなってくる。