粋華志義

【人間力第98回】人とは違うことをする、の続き

例えばこんなことを考えてみます。AさんにBさんという恋人がいた。Aさんは群集の中に埋もれているような、平凡な人間。そんなある日、Bさんに“胸がキュン”とくる人が出来てしまった。他の人とは違う、“自分”という色を出しているCさんだ。

CさんがBさんにアプローチをかけたのではなく、BさんからCさんに接近していったのだった。そう、Aさんと交際しているのにも関わらずに。Bさん、始めは友達のつもりでいた。だってAさんという恋人がいるから。友達として何度も会っている内、ついにCさんの個性に惹かれ、恋に発展してしまったのでした。そしてBさんはAさんに別れを告げた・・・

さて極端な話なんですがね、例えばよくありがちなこの話、どう考えましょう。勿論Aさんには同情されたし。さて、ではBさんはどうでしょう。その行為は浮気と呼ばれるのでしょうか。または結果的にもCさんとうまくいったからといって、Aさんをフッたことは残酷なことなのでしょうか。今はそんなことはどうでもよいことである。

この連載の主旨に基づいて着目されたし点はつまり、この話の原因はAさんにあること、これに尽きます。Aさんに魅力がなかったので、Bさんは他の人の元へと行ってしまった、ただこれだけの話であります。自分が仮に何の個性もない人間だったら、恋人はもしかしたら自分以外の人でも良いのかも知れない。人とは違う、自分だけの個性、優しさを持つことも人間力の内のひとつなのでしょう。そしてこれは仕事でも人生でも同じことを言えるんではなかろうか、と考えてみたりする。。