粋華志義

【人間力第97回】人とは違うことをする

さて、前回ガブリエル・シャネル氏がとても勉強になる名言を言っていたので、改めて目を向けることにします。
「かけがえのない人間になる為には、いつも普通じゃないことをしなければならない」

群集の中に埋もれている様では、その人間力は当然見えてこない。勿論、それが良い悪いというものではなく、そもそもソレをどうこう言うつもりはない。ただ、この企画の主旨に沿って考えた場合、この部分もやはり外せない部分なのであります。

これまでの章でいくつか自己啓発の方法を見直してきましたが、それは言ってみれば正当法で、ただこの章だけはその限りではない。イメージ的にはこれまでの章で、同じ方法で自己啓発をしてきた同志がいたとしたら、この章で本当の、自分だけの人間力が出てくるのだ。その為にも、人とは違うことをすることが重要になってくる。

例を出してみましょう。例えば自分が、とあるショップのオープニングスタッフだったとします。スタッフは全部で15人、全員同じスタートだ。まだルールも何もあったものではない。色々と担当を決めている内に、トイレ清掃を皆やりたがらないのが雰囲気で解った。自然と言えば自然だろう。誰も好き好んでトイレ掃除などしたがらないのが常である。

こんな時に自ら進んでトイレ掃除を始めてしまう。するとどうだろう、上から一目置かれるばかりか、同期の人からも支持を得られるかもしれない。そういった支持してくれる人が全てではなく勿論中にはソレを妬み、あるいはあなたを落としいれようとする人もいるかも知れない。

しかし、長い目で見るとそのような人は(必ずと言っていいほど)早かれ遅かれその現場から消えていき、自らトイレ掃除を行うというような行為をし続ける自分は気が付いたら他の人より“かけがえのない人間”になっていることだろう。トイレ掃除など皆やりたくはないのだ。つまり、これが一般論である。

人と違うことをする為には、一般論と逆のことをすればいい。人がやりたがらなくても、トイレ掃除は欠かせない、重要なことだ。それをすれば支持をもらえるかどうかは別の要因も絡んでくるので置いておくとして、少なくとも“かけがえのない人間”に他の14人よりも一歩近づくことが出来るのだ。人がやりたがらない為に、このチャンスを掴むのは比較的簡単なことだ。