粋華志義

坂本乙女あて/慶応三(一八六七)年四月七日

私が土佐藩に戻ったと聞いて、幕府の役人は大変驚き、もう気をもんでいるそうです。あちこちから浪人たちが訪ねて来るので、どうもおかしい。

近日中、後藤象二郎殿は京都からでかけると思うのです。その時は伏見の寺田屋へ泊まって、伏見奉行を恐れさせてやろうと思っています。

何か差し上げようと思いましたが、ちょっとなく、白の金巾一匹差し上げますので、お召し物にして頂ければ幸いです。

さようなら。
四月七日  龍馬
乙 様