粋華志義

池内蔵太をユニオン号の乗組員に・・・/慶応二(一八六六)年三月八日

細川左馬之助は
以前から海軍への志があり、
馬関から
龍馬と一緒に
上京していました。訳あって
薩摩に行こうとしていますが、
今、幸い太郎が
長崎に帰っていると
聞きました。今なら、
あのユニオン号に内蔵太を
乗せてもよいかと思います。
内蔵太は
海軍のことに関して
今は未熟ですが、
度々
戦争に参加していますので、
ずいぶん後になれば
頼もしい人に
なるであろうと楽しみにしています。
もしユニオン号の
都合がよいとなれば、
西郷吉之助と小松帯刀の方へは私から相談します。
都合はよろしいでしょうか。
よくお考えください。
草々頓首頓首
八日  龍

この手紙は錦戸に遣いを頼みます。
但し太郎の変名宛にします。

  高松太郎様    龍