粋華志義

【第35回】ダイヤモンドのスマートな選び方 おわりに

おわりに

改めて言いますが、ダイヤモンドを選ぶ決定打は7番にもある自分の“主観”に置くべきです。言い方を変えれば自分の感覚、フィーリングと言っても良いでしょう。自分がきれいだと思ったものがきれいなのです。

不思議と、ダイヤモンドをじーっと見ていると、その中でも輝いているものが出てくるのです。

「宝石が話しかけてくる」なんて言い方は古くていかにも怪しい表現ですが、そうした何かインスピレーションがあれば、それは果たして「出逢い」なのでしょう。

自分の主観がそこで何も感じないのであれば無理に決めることは決してなく、おそらくそこには出逢いがなかったと考えて良いのです。

4Cが書かれている鑑定書は成績表のようなものであり、輝きを保証する保証書ではありません。成績表によって生徒さんの価値が決まるものではないことと同じなのです。

故に、「4C」だとか「鑑定書」と耳慣れない言葉が出てきても構える必要はありません。

ジュエリー店の店員さんがいくら専門用語を出してきても洗脳される必要もありません。

本連載の書かれている内容を解っていればダイヤモンドを選ぶ際には充分なレベルであり、店員さんですら知らない内容も中にはあるはずです。

それは、ラパポートによる価格決定のされ方や、カラーやクラリティでの境界線がない現実、カットでの輝きに関してなどお話した通りです。

されど価格は4Cに基づいていますから、そういったポイントを抑えながら一にも二にも自分の主観をもって選べば、きっと自分が出逢うべきダイヤモンドに巡り逢えるはずです。