粋華志義

【第28回】ダイヤモンドのスマートな選び方 ダイヤモンドの特徴、輝き

それでは専用のスコープで覗くハート&キューピットを見てみましょう。

たしかに見事なハートと矢が確認できます。

ちなみに、 「ハート&アロー」とも呼ばれていましたが、 ある企業がそれを商標登録してしまい、 現在ではハート&キューピットと一般では呼ばれています。 要するに、同じものです。

これが完璧に確認できるものは通常のEXCELLENTよりも 15~20%ほど高い価格で市場には出ているようです。

ただ、 このハート&キューピット自体は肉眼で見えるものではありません。 (一般に、大きさ的にも言えるでしょう) あくまで(拡大される)専用のスコープで確認できるものであり、 これも自己満足と言えばそうかも知れませんが、 それでも完全にそうとも言い切れないのは、 その最高級のカットによる“輝き”がある為です。

ダイヤモンドが何故宝石の王様と呼ばれ君臨し続けているのか。 それは希少性や硬さ等いくつかの要素がありますが、 「金剛光沢」と呼ばれる屈折率の高いダイヤモンドならではの 輝きがあることが第一に挙げられるでしょう。

この輝きは、 カット職人さんによるカットによって決定されるものです。

それではその“理想のプロポーション”とはどんなものか。 少し固い話になりますが 1919年に数学者のマルセル・トルコウスキー氏が ダイヤモンドの屈折率、臨界角、分散率といった光学的な特性を考慮して、 ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出せるカットを発明しました。

それが、 今日でも有名な58面体からなるラウンド・ブリリアントカットです。