粋華志義

【第24回】ダイヤモンドのスマートな選び方 注意すべきインクルージョン

注意すべきインクルージョン

ダイヤモンドは地球上のあらゆる物質の中で最も硬い存在であることは広く知られています。

そのことからか、ダイヤモンドは絶対に割れないと思われている人も多くいます。

たしかに一番硬いものではあるのですが、硬いからといって「割れない」というわけでもありません。また、割れないまでも欠けることもよくあります。

これらはダイヤモンド(鉱物学)の劈開(へきかい/cleavege)という性質によるもので、専門知識になるため詳細は省きますが、(あくまで本連載は知識目線ではなく、購入者目線です。専門知識はインターネット検索にてご参考ください)要は特定方向に力を加えると割れやすい面を持っているということです。

これはダイヤモンドに限らずに、一般に宝石は硬いのですが脆く、衝撃に弱いものですので、衝撃には特に注意して着用していただくよう私はいつも添えています。

さてインクルージョンにはいくつも種類がありますが、ここでは注意したいインクルージョンをご紹介します。

フェザー

ひとつ目はフェザーと呼ばれるもので、内部にできた劈開による割れ目です。大小さまざまですが、すでに亀裂が起こっている状態のものです。

フェザーはその亀裂面に垂直の方向からみると鳥の羽のよう見えるのでそう呼ばれていますが、この亀裂面に平行に力が加わることがあると、フェザーが基点となって石が割れる可能性が高くなります。

とは言いましてもいきなりこのフェザーを見極めるのも困難かと思いますので、ジュエリー店の店員さんに聞いてみましょう。

「このダイヤモンドには、フェザーはありませんか?」

ただ、あったとしてもそれだけで深刻な問題とは必ずしもならず、大きさやフェザーの位置――例えばフェザー亀裂の平行方向が
爪などで保護されている――によっては心配いりません。