粋華志義

【第17回】ダイヤモンドのスマートな選び方 「VS1だから」輝いているわけではない

クラリティを考えると、VSクラス(特にVS1)以上はもはや自己満足の世界と私は断言したいものであります。

かといって、その自己満足がよくないと言っているわけではありません。

言い方を変えれば“コレクター向き”とでも言えるような高品質レベルで、肉眼では解らない外観以外に価値を見出す方向け、といった感があります。

VVSクラスをも毎日見ていたイスラエルの当時は、毎日そう感じていました。

10倍ルーペでずっと探しても見つからない。

どうしても自分で納得したい私は、そういった不明なものは別に置いておく。

そうして夕方、終業の30分くらい前にイスラエル人のダイヤモンド商(私にダイヤモンドを教えてくれた人)に聞きにいく。

私が持っていくのはVVSの中でも特に微妙なもののようで、その師匠も10倍ルーペでは大抵即答できない。

すると30倍の顕微鏡で見る。

そうしてようやく、「これだ、10時の方向にあるものだ」とでも教えてくれる。

顕微鏡を覗いて10時の辺りを見るとなるほど、それは小さな小さな、小さな「点」が、ある・・・。

このような微小な世界なものだから、肉眼では解るはずもありません。

だからこそ、ダイヤモンドを選ぶ際のポイントはクラリティでも主観を大事にしていただきたい。

想像してみてください。

ダイヤモンドを選ぶ際はおそらく、高級な雰囲気の中にいることでしょう。

目の前にいる上品な店員さんは、はじめは小さくてグレードの低いものから出してきます。

一つ目はSI1、次はVS2、そしてVS1・・・。

すると必要以上にVS1が輝いて見えるものなのです。

そうではないのです。

忘れてはなりません。

前述しましたように「VS1だから」輝いているわけではないのです。