粋華志義

【第9回】ダイヤモンドのスマートな選び方 カラーに関する業界裏話

この、
「人間の目をもって評価をしている」という点で業界ならではのお話があります。昨年、日本を代表する鑑定機関でもあるZ社が倒産しました。

事の発端は同社員によるグレーディング(鑑定)のかさ上げによるものでした。ダイヤモンドの4Cを評価して鑑定書を発行する鑑定機関がこのような事態を招いたことは業界の人間としては非常に悲しい出来事でした。

また、こんな話もあります。
ある鑑定機関でもダイヤモンドを評価する場合、丹念にダブルチェックを行っているようです。

つまり、
一人がそのダイヤモンドの4Cのグレードを鑑定した後、別の人間が改めてはじめから鑑定する、というものです。

これは、
鑑定士と言えど一人の主観に捉われない為に行っているのでしょう。

しかし、鑑定士とて人間。

この一人目が自分より上司(先輩)で自分が二人目という場合、「なかなか異をたてることができません」ということです。

ここで注目すべき点は、その人間関係のつまらないことではなくて、熟練の鑑定士でも人によって違う評価がでてくる、ということです。

毎日毎日何百個も鑑定しているダイヤモンド専門の鑑定士とてこのような事例があるのですから、やはりダイヤモンドの4Cというものはあくまでひとつの“基準”であることがお解りいただけると思います。

さらに言うと、
同じダイヤモンドをAとBの鑑定機関に持っていけば、異なる結果が出てくる、ということもあり得るとゆうことです。

違う言い方をすれば、
特にこのカラーと透明度は境界線がないということが言えます。境界線がないのであれば、境界線ギリギリのダイヤモンドは
評価が分かれるのは当然と言えば当然なお話なのです。

4Cの中でも重さ(Carat)とカット(Cut)は機械で算出していますが、特に今回の色(Color)と次にお話する透明度(Clarity)は人間の目をもって鑑定機関でも評価していることを再確認したいところです。