粋華志義

【人間力第12回】ルールその2

ルールその2.【方向を定めること】

パリに行きたかったとする。でも、“パリに行く”という方向を定めない限りは(当たり前だが)パリに行けないのと同じで、人生も方向を定めることは重要なことである。と、よく言われます。

その方向が数度ずれるだけで、ローマに到着するかも知れない、ベルリンに到着するかも知れない。しかし、それで良いのです。ダイレクトにパリに到着しなくても良いのであります。ローマでもベルリンでも、着いたらそこからローカルバスに乗ってパリに行けば良いのだと思います。

むしろ、ローマを少し経由したことにより、ローマの美しさも発見できるでしょう。もしかしたら、回り道したベルリンで一生を変える程の出逢いがあるかも知れない。予定は、修正、修正で。そもそも、すべてがプラン通りに行くものではないものです。

しかし、方向を定めることすらしないと、気が付いたらブラジルのリオ・デ・ジャネイロにいることになるかも知れないのだ。方向を定めないと自分がぼんやりでも想像していた未来と真逆の方向へ行ってしまうこともあるわけです。

方向を定めることは「目標を設定する」「願望を明確にする」という言葉でどの自己啓発本でも紹介されていますが、その終わりまで書いている本はあまりないように思われます。つまり、目的地のパリに行くことだけを考えて飛行機に乗り、到着するシャルル・ド・ゴール空港を視野に入れないということだ。

するとどうなるか。パリ付近の上空まで来たはいいが、空港がどこだかわからない為にさまようことになるかも知れません。忘れてはならない、自分の人生のパイロットは、自分だということであります。

飛ぶのが目的ではなく、パリに行くのが目的でもなく、パリに行くからには「パリに行って何をするか」も当然あるはず。そして、それが例えば旅行なら、帰りの日程もあるはずなのだ。

そのあたりまで、今回は考えてみようと思うのです。