粋華志義

【人間力第6回】新しい時代の幕開け

 1989年にはベルリンの壁が壊され、冷戦が終結され、これが産業時代の終わりと一般には言われます。これに代わり始まったのが今日の情報時代。情報時代の代名詞でもあるインターネットの登場は正に怒涛が如く、今までの常識を全く覆すものとなりました。

 その内のひとつとして、流通の中に人間が大部分カットされたことを考えてみます。先に「世の中は全て“対人間”」という考え方に触れましたが、この法則が大幅に覆されることとなりました。例えば、人は海外にいても、ネット上で日本の口座から別の口座に簡単に振込みが出来ます。

もう数年前に聞いた話になりますが、「マンションの契約をネット上でするというのが50%を超えた」という世の中であります。音楽もネット上でダウンロードでき、しかもCDを購入するより値段が安い。それでもCDを買う人は周りから「マスター」と呼ばれるらしい。みんなそれをコピーしてゆくのです。

例えば、銀行の入り口に立っているセキュリティーの人やATMを案内する人、不動産屋、CD屋の店員、やろうと思えば誰とも会わずに済むわけであります。そしてこれは例を挙げるとキリがなく、日々この“無人化”のサービスは進化しているのであります。

この企画は“WEB進化論”を述べるものではないので、私は早めにこの話題を変えなければなりませんが、それでもここは避けられません。つまり時代は今もの凄いスピードで進化しているという事であります。

今や“超”がつくほど死語になっていますが、ある時期このスピードを「ドッグイヤー」と表現していました。これは、犬は人間の7倍の速さで年をとっていくことから、「今の人間の1年は前と比べて7倍の速さで進化している」という意味であります。数年前にはこれが、人間の18倍の速さで年をとるマウスから「マウスイヤー」と呼ばれるようになり、これらの言葉ですらもう古くて、既に死後になっています。

先日、「サスティナビリティの時代へ」というセミナーに行ってきました。話を盛ると、一睡もしないで行ってきたので、全部が全部勉強できたわけではありませんが、それでも鳥肌が立ちました。今のこの、時代の節目というものを。

とにかく今のこのスピードは、表現してもその表現すら追いつかないほど速く、且つ便利になっています。そして、便利になればなるほど、“人間らしさ”が失われてゆくように思えてならないのです。。。