粋華志義

【第18回】ダイヤモンドのスマートな選び方 2つのダイヤモンド

ここで例を挙げてみましょう。

図のような2つのダイヤモンドがあるとします。

石の大きさやインクルージョンの種類にもよりますが、 例えば双方0.5ctとして肉眼でも両方インクルージョンを確認できたとします。(その他条件は同条件だとして)

さてどうでしょう、 あなたはどちらを選ぶでしょうか。 勿論、どちらが「正解」というのはありませんが、 自分の主観を見失ってしまうと現場では無条件でAの方が輝いてみえるものです。

注意したい要点は3つあります。

現場での雰囲気

一つ目は、現場での雰囲気です。 先ほどから言っているジュエリー店やサロンでの高級感の塊のような店内では、 ついついその雰囲気に惹きこまれてしまいがちです。

店員さんの言葉

二つ目は、店員さんの言葉です。 発する言葉は実質以上に信用してしまい、洗脳されていく。 ダイヤモンドの現物を見る前に4Cの解説が入ると、 既にそこから洗脳が始まっているのかも知れません。 忘れてはなりません、 話を誘導する店員さんはあくまでダイヤモンドを売る側の“立場”にいるのです。 売上を作ることが正義である以上、より高いモノを勧めたい側にいます。

見栄

そして三つ目は、見栄です。 目の前の店員さんだけに止まらず、贈り相手に対して、 あるいは自分に対してもこれが起こることもあり、 無意識のうちに自分で自分を説得する心境にもなる。

 

 

このようにまず雰囲気で自分を見失い、 店員さんにクロージングされ、 慣れないダイヤモンドの専門用語“4C”によって グレードだけで「きれいだ」「いいものだ」と錯覚する。 この錯覚を、見栄が後押しする。 このような状況にならないために、 自分の主観を確立することが望ましいものです。