婚約指輪は給料3か月分、あれはウソです
「100万円くらい」
婚約指輪にかける予算を聞いたところ、その20代の若者は言いました。その根拠は、給料3か月分だと言うのです。
「それが頭にあるから、それぐらいかけないとケチっているように思う」
若者はそう続けました。
同じ質問を20代の他の若者に聞いてもやはり、「給料3か月分」というのは浸透しているようです。
しかし、
その出所がどこからきたものかを知る人は意外にも少ないことに気がつきました。
これは、
1968年にデビアス社がテレビのCMで大々的に打ち出した、キャンペーンでの単なるキャッチフレーズです。
それが単なるキャッチフレーズである証拠に、日本の前に行われたアメリカでは給料2か月分、イギリスではなんと給料1か月分だったのです。
故に、
婚約指輪にかける価格を給料○か月分というフレーズには何の根拠もないどころか、今となってはダイヤモンド屋の宣伝文句にすぎないことが解ります。
ただし、
このキャンペーンは果たして爆発的に大当たりしました。
そもそも、
日本の江戸時代には婚約(結婚)指輪というものが存在しません。
明治に入ってからも同様で、着用しはじめたのは昭和に入ってからも戦後のことです。
昭和初期ですら着用している人はマイノリティでそれだけで「キザ」だと思われていたようです。
それが、
このキャンペーンによって日本人のダイヤモンド指輪を婚約時に買う人がなんと70%までに増えたのです。