天然鉱山と都市鉱山
それではまず、天然鉱山である金鉱脈から金を採掘する場合の数字を見てみましょう。
天然鉱山1トンより採れる金は大体3~6グラムです。
これは一般の「山」からではなく、あくまで金が含まれているとされる 金鉱脈から採掘した場合の数字です。
図の[42,000㌧]の2の数字の下辺りにある 小さな点が見えますでしょうか。
天然鉱山から採れる金とは、これっぽっちの程度であるのが伝わるかと思います。
1トンは1000キログラム、1キログラムは1000グラムなので100万分の6、つまり多く見積もってもその含有率は0.0006%でしかないのです。
採掘者にとっては気が遠くなるような作業ですが、逆に言えば金がどれほど希少な金属なのかということが伺えます。
そして、前述したように近年生産量を着実に伸ばしている中国も、特殊部隊「摸金」を筆頭にこの金を含む鉱脈を探査、発見し、こういった割合で採掘しているのです。
話は戻りますが中国の生産量、2008年は292トン、2009年は324トン、2010年は350トン。
一体、どれほどの大地を削っているのでしょうか。
生産量300トンとして単純計算すると、5千万トンもの山を削っていることになります。
いずれにしても、莫大な環境を破壊している上に この天然埋蔵量も残り42,000トン(※注)、近未来においてこの採掘方法が見直されるか、そうでなくともやがては自然と枯渇する資源であるのです。
注)確認されている埋蔵量は7万トンとも言われますが、地下4000メートルの深部や太平洋の海底など非現実的で、42,000トンというのは現実的な数字であります。