ダイヤモンドの決まり値
ダイヤモンドの本質は４Ｃではなく、別にある。 そう話して参りました。 別とは、言うまでもなく個々のダイヤモンドそのもの、となります。人間が十人十色であるのと同じく、 ダイヤモンドも天然の産物ですから ひとつとして同じものはありません。
では、｢４Ｃはあてにならないのか？｣というとそうでもなく、 基準としてこれほど優れた基準はないと言えます。 ただ、あくまで参考にする基準であり、 保証されるものでも答えでもなく、 この基準に基づいてダイヤモンドは人間によって評価されているのです。
答えではない証拠に、 鑑定機関やその鑑定士によって１グレードの 誤差が生じることがあるのです。 （さすがに2グレード異なることは正常の鑑定機関ではまずありません） 鑑定機関ＡはあるダイヤモンドをVS2と評価し、 鑑定期間Ｂに同じものを持っていったらSI1と評価された、 といった具合にです。
ダイヤモンド業者が ｢この評価はおかしい、どうみたってVS2でしょう｣ と鑑定機関に申し出ることもあります。 これらは先に述べたようにすべて｢境界線がない｣と いうことから起こる自然現象なのです。
ですから、 ４Ｃは何度も言うようにあくまで基準として参考にすべき資料なのですが、 さらに無視できないのは、 ダイヤモンドの決まり値が４Ｃを基にして決定されるからでしょう。 その基となるラパポートダイヤモンドレポートを見てみましょう。
前述しましたように このレポートはダイヤモンドの取引業者がお金を払って手に入れる資料ですから、 また、 そもそも業界のマナーにのっとり、 その数字の内容までは暴露できませんことを何卒ご容赦願います。
