それでは話を元に戻しましょう。
このダイヤモンドのAとB、比較は続きます。 ダイヤモンドはコレクターの方は別として通常、 リングやペンダントなどの製品として石留めされます。 その製品のイメージ図を見てみましょう。
あれ? ――・・・。
そうです、 ダイヤモンドBの端にあったインクルージョンが 石留めした際の爪ですっぽり隠れてしまいました。 ウソみたいでバカみたいな話ですが、本当の話です。
極端な事例ではありますが、端にあるインクルージョン、 少なくとも爪分の大きさは隠せます。 それから、端を狙うことは単純に、美的要素も伴われてきます。
ダイヤモンドAのように中央にあるインクルージョンは どうしたって目立ちます。 一方、端にあればあるほど地金部分に近づき、 カモフラージュされるように目立たなくなります。
ダイヤモンドの石だけを見て選んでいるとそれに慣れてしまい忘れがちですが、 中央のインクルージョンより端のインクルージョンの優先順位をあげること、 これは抑えておきたいポイントです。
ダイヤモンドを製品として使用したいのであれば、特にです。
これが重要なポイントであることは、 クラリティのグレードはインクルージョンが 中央にあろうが端にあろうが関係ないことでも納得できます。
だからこそ4Cがすべてではなく参考までに、 ダイヤモンドの本質は別にあると言えるのです。